インドやネパールではトイレでペーパーではなく水を使うという話は結構知られています。 わたしは今のところどうしてもこのシステムに馴染めません。 日本の実家にはウォシュレットがついてるくせに情けない話です。 水で洗う方が紙よりいいというのは理解できるのだけど、その「水」の質などを考えてしまうのです。 「トイレの洗い水から尿道炎になった」という話を聞いたことがあって、どうも水を使うのが恐いのです。 小さい頃に局部に怪我をして痛い目を見て、二度とああいうのはごめんだと思ってるので…… あれはほんとに痛かった(^^;
今回の滞在中、D家ではトイレが洋風の腰掛け式・水洗式だったし、ペーパーが置いてあったので事無きを得てたのですが、ポカラの旧市街にあるD氏の奥さんの親戚の家はしゃがみこみ式・手拭き式・落下式でした。 和式トイレから金隠しを取り去ったような形の便器(もちろん水洗などではありません)と、壁にちょこんとついた蛇口&プラスティックの手桶という、典型的な「インド式トイレ」だったのです。 「用を足す」こと自体は別にどうということはないのだけど、その後のことを考えたら頭が痛くなりました。 ※太字のトイレの区分用語については、ウタリクリエイツ筑波研究所の比較文化研究室をご覧ください。 人間切羽詰まれば何とかなる(する)だろうけど、にっちもさっちも行かなくなる前にとりあえず主張はしてみようと思って、D氏の奥さんに片言の英語で相談しました。 「ネパールではペーパーを使わないのは知ってますが、できたらペーパーが欲しいです」という意志を伝える努力をしたはずでした。 そういう単語しか使わなかったつもりです。 ……が。思いっきり脱力してしまいましたが、とりあえず大理石っぽい石の清潔そうなトイレで、シャワーもきれいだったので用を済ませて外に出、やや引きつりながらも手を合わせて家主にお礼を言いました。 わたしが中にいる間に同行してくれた2人に事情を聞いてたらしい家主のおじさんは、にこにこしながら「No problem!」と英語で答えてくれました。
気を取り直して翌20日。 昨夜一緒だった女性(名前が不明なのでMさんとします)とD氏の奥さんと3人でバスに乗って、ペワ湖へ行きました。 ボートに乗って島に渡り、2人は小さなお堂(ヴァラーヒーだったのかな? 名前は不明ですがヒンドゥーの女神がまつられているようでした。生け贄の血がお堂の回りにまいてあった。)に参拝して、それから岸に戻りました。 そこで奥さんが「Mさんが勤めてる銀行でお手洗いを借りましょう」と言い、湖からちょっと離れたところのその銀行へ行きました。 彼女のオフィスへ行き、「そこがトイレよ」と言われた扉を開けて中へ入ったら…… 便座が外れた水洗洋式便器と、蛇口と手桶がありました。
やっぱりわたしの英語は通じてなかったのでしょうか……というか、「トイレットペーパーが欲しい」というのが理解できないのだと思いました。 たぶん、わたしが一生懸命に何やら訴えてる中で、「water」という単語が多かったから、「水洗トイレに行きたいんだな」と考えてくれたのでしょう。 そうじゃないんだってば……。
「文化の違い」というものを身を持って知った出来事でした。