2004年8月2日、滋賀県守山市の |
ここに植えられている蓮は「近江妙蓮」と呼ばれる独特の品種一種類だけです。 厳密にはもともとこの地にあった妙蓮は一度絶えており、その後同じ血統と思われる金沢の持明院妙蓮を株分けして復活されたのだそうですが、とにかく蓮の中でも飛び抜けて珍しく、変わった品種です。
妙蓮がどんな花なのか、詳しいことについてはBooksで紹介している『近江妙蓮 ― 世界でも珍しいハスのものがたり』を読むのがいちばんわかりやすいと思いますが、かいつまんで書くと、ただの八重咲きではなくて花の中心に一見それぞれ別個の花のように見える塊(花弁群)がいくつもできるという、不思議な咲き方をする蓮です。
妙蓮のつぼみは最初ふつうの蓮(妙蓮と比較するときは常蓮と呼ぶようです)のつぼみとあまり変わらなく見えます。
特に八重咲きの蓮とは区別がつかないかもしれません。
咲き始めると外側の花弁(常蓮の花弁に当たる部分)はちゃんとふつうに散りますが、雄しべ雌しべの代わりに中心部を埋め尽くしている花弁群はその後も散らずに咲き続け、そのままの状態で(茎についたまま)枯れていくのだそうです。
近江妙蓮は明治時代に一時期絶えてしまって、戦後金沢の持明院妙蓮の根(を分けて府中で育てられていたもの)を分根して復活させたのが今ある妙蓮です。 そのため持妙院妙蓮の方が本家だという話もあります。 でも、実はその持妙院の妙蓮というのは、おそらく維新前後に近江から分根したものなのだそうです。
妙蓮はその造り上どう考えても種は残せないので、蓮根による繁殖しかできないわけで、結局のところ旧近江妙連=持明院妙蓮=現近江妙蓮と考えられるらしいです。
花はす公園と打って変わって資料館(茶室に使える和室があって、予約すれば借りられるようです)とひょうたん型の瑞蓮池だけのこぢんまりとした静かな公園でしたが、隣接する大日堂と妙蓮池(こちらがもともと妙蓮が生えていた池で、地元の人は大日池とも呼ぶようです)も引っくるめて、のんびりできるいい場所でした。
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妙蓮いろいろ
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