月刊モバイルプレス(技術評論社)99年3月号より
国内最大のパソコン通信と言えばNIFTY SERVEでしょう。筆者も毎朝NIFTYを巡回し、特定の会議室やPatioをまわり、ダウンロードしたログをHP200LXへ転送、移動時間にログ読みという生活を送っています。
このようなパターンができあがると、たとえ海外へ行っているからと言って会議室の巡回をストップするわけにもいかず、ましてや海外から新鮮な話題、情報を発信したくなると言うものです。
そこで今回はNIFTY SERVEアクセス専用ソフトとして有名なAirCrft97を使って海外からNIFTY SERVEへの簡単な接続、巡回について考えてみます。
AirCrft97はNIFTY SERVEの利用に特化したシェアウェアで、多くのユーザーに長年に渡って支持されています。
AirCrft97を使えばNIFTY SERVEのメールの送受信、フォーラム巡回、フォーラム発言、フォーラムアップロードやダウンロード、パティオ巡回・発言、掲示板巡回・発言、プロフィール取得・変更、今週のお知らせ巡回、課金情報巡回、クリッピングサービス巡回等をオートパイロットで実行する事が可能で、オンラインでの面倒な入力作業を省けます。
特に海外からアクセスする場合、ローミング費用など、日本での通信を行う場合には不要な課金が発生しますので、こういった便利なソフトを使うことは電話代のみならず課金の節約に大いに役立ちます。
また、取得したログデータは自動的に整理され、AirCrft97のログブラウザにより体系的に見ることが出来大変便利です。
AirCrft97は使用する期間によって無期限パスポート版と年間パスポート版の2種類が用意されています。将来にわたりAirCrft97を使っていく予定がある場合は無期限パスポート版を、1年毎に更新していく場合は年間パスポート版を入手します。
では早速AirCrft97を入手しましょう。
NIFTY SERVEの専用会議室、Air Craft 通信環境フォーラム(go FAIRTERM)のライブラリーに最新版が登録されています。
一方、インターネットで作者のホームページより入手する事が可能です。尚、登録されているAirCrft97はWINDOWS95/98/NT版とMac Virtual PC 対応版が有りますが、今回はWINDOWS用の自己解凍版を前提に話を進めていくことにします。
AirCrft97はシェアウェアです。試用期間を越えて使用する場合は必ずライセンスを購入してユーザー登録をしましょう。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックすると自動的にインストーラーが立ち上がります。画面の指示に従いながら作業を進めていけばインストールは完了します。
AirCrft97のインストールが完了したら、早速初期設定、初期巡回を行い、自分の環境を構築します。特に初期設定を行う場合、数回に渡りNIFTYへログインを行いますので、最低でもこれらの設定は完了させてから海外へ行く必要があります。
もっとも日本を出発する前に、ある程度AirCrft97を使って巡回し、使い方に慣れると共に自分の巡回パターンを確立しておくことは、異国の地で無駄なトラブルを回避する為に有効な手段でしょう。
- (1)ローミングポイントを利用する
- NIFTY SERVEへ海外から接続する為のもっともポピュラーな方法は、Computer Serve経由のローミング接続でしょう。
これはComputer Serveのアクセスポイント経由NIFTYへ接続する事で、この時、ローミング費用として1分20円の課金がNIFTY SERVEの課金とは別に発生します。
実はAirCrft97にはこの為のアクセスポイントがあらかじめ登録されていますので、簡単にComputer Serve経由NIFTYへ接続することが出来ます。
AirCrft97を立ち上げ、<オプション>→<アクセス設定>とすすみます。するとアクセス設定画面が表示されますので、この中にある【接続】と言うタブを選択します。
次にダイヤルリストの中のアクセスポイントの項の右側にある追加のボタンをクリックします。するとアクセスポイント選択の画面が表示されますので、右上にあるリスト切り替えボタンをクリックします。
するとアクセスポイント切り替え画面が現れます。この画面に表示されているUsa.apとOther.apファイルがAirCrft97を海外から使えるようにするためのローミングポイントが登録されているファイルです。
米国からアクセスする予定の人はUsa.apを、それ以外の国からアクセスする予定の人はOther.apを選択し、最後に開くをクリックします。
すると再びアクセスポイント切り替えの画面が表示されますが、今回表示されているアクセスポイントは海外のアクセスポイントになっていることに気がつきます。ここで自分が滞在する所にもっとも近いアクセスポイントを選択し、最後にOKをクリックします。
これでアクセスポイントとして先ほど選択したポイントが登録されているはずです。
あとはダイヤルリストでこのポイントを指定してあげれば設定は完了です
なお、AirCrft97では外線識別番号などの設定項目は有りません。必ずコントロールパネル内のモデムの設定で、ダイヤルのプロパティを、訪問する国の設定にあわせておく必要があります。
- (2)telnetでつなぐ
- 海外に出ると日本のニュースも恋しくなり、何かとインターネットへつなぐ機会も有るかも知れません。そんなときはついでにAirCrft97を使ってtelnetでインターネット経由NIFTY SERVEへアクセスしてしまいましょう。
そのためにはAirCrft97でtelnet接続が出来るように設定する必要があります。
先ほどと同じように<オプション>→<アクセス設定>とすすみアクセス設定画面を表示させ、次に先ほどとは違って今度は【接続2】と言うタブを選択します。
するとインターネット経由接続の設定画面が現れます。ここでTelnet経由の接続の設定を選択します。
実際にアクセスするときはダイヤルリストからインターネット経由接続(Telnet)を選択することでTelnet経由の接続ができます。
なお、この方法はあくまでパソコンがインターネットに接続されている事が前提の接続方法であり、インターネットへ接続する方法では有りません。