98年12月7日の深夜にサウジアラビアのリヤドへ来ました。

と言うのも、この国は日本に比べて生活様式が大きく異なり、これから楽しいクリスマス、更に今月中旬から予定されている断食の期間を我々外国人はどう過ごしていくのか、記録にとどめておこうと思ったからです。


<ジェッダ>1998/12/21

ジェッダという町へ出張で出かけて来ました。
ジェッダは紅海に面した商業町で、リヤドから飛行機で約1時間半ほどの距離です。
この町は非常に緑も多く、町自身が活気があって一見するとサウジアラビア?と思うほどです。特にリヤドとジェッダの違いは歴然としており、一言で言い表すならリヤドは堀の中、ジェッダは楽園と言った感じです。(個人的な印象)
また、この冬の時期、リヤドとジェッダにはかなりの気温差があり、海に近いジェッダはこの時期でもクーラーが必須なほど暑いです。が、夏は湿気もあり、それなりに厳しいと聞きます。
この国に住むとなれば、断然ジェッダに決まりです。

さて、ラマダンと重なったジェッダへの出張ですが、この時期の機内サービスはどうなるのでしょうか?
基本的に旅の途中で有る場合は、その限りでは無いという教えがあると聞いています。現に空港では飲み物、食べ物を売っているカウンターはオープンしていました。が、食べている人は誰もいませんでした。
さて機内サービスですが、今回はファーストクラスに搭乗しました。普通なら出発前にアラビックコーヒーとデイツという木の実の食べ野が振る舞われますが、今回はそれは有りませんでした。そのかわり、ジュースのサービスが行われました。ところが、スチュワーデスは我々外国人の所にはサービスに来るものの、サウジ人へは一切飲み物をいるかとは聞きませんでした。頼めばもらえるのでしょうが・・・

離陸すると再びスチュワーデスが、コーヒーか紅茶は要りますか?と。ちなみに予断ですが、この国で女性と話すチャンスは機内でスチュワーデスさんと話す以外には無いと言って過言では無いでしょう。その他では、病院の看護婦さんという事の様ですが、この国で病院のお世話になったことはありませんので、確認はしていませんが。

ビックリしたのはしばらくして食事が配られたことです。あいにくおなかが一杯だったのと、隣の席のサウジ人が気になって食べませんでしたが。やはりいくら何でも断食をしている人の隣でぱかぱか食べる勇気は・・・
郷に入ったら郷に従いましょう。

<ラマダン>1998/12/20〜

ラマダン(断食月)が始まりました。
当地では、Happy Ramadanといって祝います。
この時期になると太陽が照っている時間は一切の飲食が絶たれます。当然、町のレストランやファーストフード店は閉まっています。ホテルのレストランも同様です。
また、喫煙も出来ませんから、ホテルのロビーの灰皿も撤去されます。
さて、このような時期をいかにすごしていくか?いつも頭を悩ませます。
=朝食編=
ホテルのレストランは、昼間は当然閉まっています。
従って朝食も食べられなくなります。・・・・でも食べられるんです。
この期間、どこのホテルも隠された場所にレストランを開きます。その場所は、外部から見えない場所である必要があります。
私が宿泊しているHyattでは最上階のキッチンがついたスイートルームがその場所に指定されます。
部屋にはいつもの朝食とほぼ同じ品が並べられたバイキングコーナーが設置され、また、簡単な卵料理もオーダーできます。
当然そこに集まってくるのは、外国人ばかりです。

もう一つの方法はルームサービスで朝食をとることも出来ます。

基本的には人目にさえつかなければ大丈夫という感じです。
=昼食編=
これが一番の問題です。
レストランは当然閉まっていますから外食をするのは不可能です。
かといってキッチンの無いホテル生活者は自炊もままなりません。
ある人は、バナナを買っておき、お昼に食べるとか、家族で滞在している人はお弁当を持参するとかそれぞれに工夫を凝らしています。あるいは、インスタントラーメンのような物を持ってきて食べるとか・・・
実は今回初めて知ったのですが、内緒で営業しているレストランが有ります。しかし、そこで食べることは出来ません。あくまで持ち帰って食べるというスタイルです。
しかし、新聞に外国人も、モスレム信者でない人もラマダン期間中はしきたりに従ってねと言うお達しが出ていたんですが、いいのかなぁ〜と思いながら・・・・
やっぱりおなか空いて仕事にならないんですぅ。
=仕事編=
この時期になるとどこの会社も、お店も営業時間が大きく変わります。
だいたいの店は1時前後には店を閉め、あらためて夜の9時から営業としたり、あるいは夜だけの営業になったりとします。
特にリヤドにある大きなショッピングセンターはラマダン時期は夜中の2時まで営業時間が延びます。
これは人々の生活パターンが変わるためです。
ほとんどの人は、昼間は寝て、夜の活動となります。
お情け程度に昼間は仕事をして、昼過ぎに自宅へ戻り、昼寝。夕方起きて日の入りと共に食事、夜は遅くまで起きて朝も遅くに起きると言うパターンです。
従って、ラマダン時期に仕事で現地の人と会うとなると、深夜に来てくださいとか、夜まで会社に来ませんと言われます。
そのため、仕事の関係上、深夜シフトに変更せざろう得ない日本人の方もおられるようです。こうなると大変なのは家族の方だそうです。特に奥さんは、朝は日本人学校へ子供を送り出し、深夜は旦那が仕事へ行くというスタイルになり、それこそいったいいつ寝たらいいの?状態だそうです。
=事故=
この時期は交通事故が普段よりも増えると話を聞きます。
昼間、食事をしていないために思考力が鈍る、いらいらする、と言うのが主な原因だそうです。
特にリヤドは車は結構なスピードを出して走行しています。
たまに事故が起きた現場を通りかかると、車が2つに引きちぎれていることや、原型をとどめていないと言った事もよくあり、事故のすざまじさがわかります。

<物価>1998/12/14

ここの物価はどの程度の物か?と言うのをよく聞かれます。

例えば、マクドナルドを例に見てみると、ここでは日本のビックマックバリューセットに相当するのがSR20(約600円ちょっと)します。ケンタッキーも、チキン3本とポテト、コーラのセットで同じくらいの値段になります。
と言うことは東京と同じくらいの値段ね。と言う感じになりますが、この国ではマック、KFCは高い食事の部類に入ります。

例えば、昼食にこちらのファーストフードであるシュワルマと言われるアラビック版ハンバーガーの様な物(これは結構美味しい)2本と、ドリンクをオーダーすれば半額のSR10(約300円ちょっと)で済みます。

また、コカコーラの400ml缶1本はSR1ですから約30円ちょとになる計算です。

つまり、ローカルフードを食べている限りは日本に比べて格段に安く生活できると言うことになります。

さて、日本食は?と言いますと、リヤドに唯一1軒あるちゃんとした日本食が食べられるレストランでは、うどん、そばなどが1000円近くします。寿司に至っては3000円は越えるでしょう。
つまり日本食はこの国ではかなり高級な食事になるわけです。

でも、不思議とこの日本食レストラン、鉄板焼き(客の目の前で肉を焼いて食べさせるスタイル)が他に比べると安くて美味しいのです。

<ショッピング>1998/12/13

この国では世界の一流ブランド品が日本に比べてかなり安く手に入れることが出来ます。
主なブランドだけでも、グッチ、フェラガモ、ディオール、ランバン、BOSS、バリー、アイグナー、イエーガー、ニナリッチ、カルティエなどなど。

特に町の中心を通っているタラティン通り沿いは、さながら日本の銀座通りという感じにブランド品を売っている店が並んでいます。

バーゲンシーズンともなると、現地に駐在している日本人で賑わいます。

その他、時計も安く、オメガ、ロンジンなどを買っていく日本人も多いと聞きます。
ただ、日本人の女性に人気のあるビトン、シャネルは有りません。
これはこれらのショップが直営店で有ることが原因との話を聞きます。

ちなみにリヤドの空港には免税店はありません。
買い物は必ず町中で済ませておく必要があります。

<休日>1998/12/11

サウジアラビアに単身で出張に来ているとき、休日をいかに過ごすか?というのは結構難題だったりします。

理由は
娯楽が少なくい故、遊びが限られる
冬はいいが、夏は暑くて野外活動は無理
どこへ行くにも車が必要
と言うのが大きな理由です。
特にここリヤドは人工的に作った首都ですから、観光する場所はあまりなく(すでに見物済み)、何度も訪れているとやり尽くして逆にすることが無いと言う状況になります。

ちなみにこれまで行った主な観光?スポットとして印象に残っているのは
砂漠
あの、雅子様も訪れたと言われる同じ場所
リヤドから車で1時間位行ったところに砂漠が広がっています。
本来、砂漠というと、鳥取の砂丘の様な砂地が広がっていると思われがちですが、実際ここリヤドでは土漠と言われる硬い岩盤の地が普通です。
しかし、ここへ行けばさらさらの砂の砂漠があります。
でも、砂漠は歩き難いし、靴下や靴は汚れるしで、後かたづけが結構大変だったりします。
リヤドリバーと言われる本当に水が流れている川。
いったいどこへつながっているのかは分かりませんが、川の周りには低いながらも木が生えていて、本当にサウジ?と言う感じの所。
川の近くに湖があります。ちゃんと魚も泳いでいました。
湖は岩に囲まれていて、まるでどこかの渓谷のようです。
ゴルフ
昔は土漠でやるゴルフ場しか有りませんでした。
ボールを打つときは練習場のマットを引いてその上にボールを乗せて打つというスタイルです。無論芝などはなく、フェアウエーは硬い土漠ですからボールが転がる転がる。
400ヤードも夢では有りません。

が、数年前に芝生があるゴルフ場が一カ所オープンしました。
ナイター設備があって夜もゴルフが出来ます。
と言うのも夏は暑すぎて日中はゴルフが出来ないからです。

<忘年会>1998/12/10

今日は日本人会主催の忘年会が大使館で開催されました。
参加人数はどれくらいいたでしょうか?恐らく300名近くは参加されたのではないでしょうか?

会は4時より開始され、まずは大使のご挨拶、その後趣向を凝らした出し物が続き、5時半頃から食事が開始となりました。

食事はお寿司&そばコーナーと中華バイキングの2つが用意され、それぞれ自分で取って食べるというバイキングスタイルです。
少し期待したのですが・・・・、残念ながら豚肉の料理は有りませんでした。

お寿司は、トロなど結構有りましたが、握りはかなりの人気ですぐに無くなりました。太巻きはしばらく残っていましたが。

中華の方は美味しくなかったです。まぁ、この国の中華料理はどこでもこんな感じで美味しくないんですが。と言うわけでもないでしょうが、最後まで残っていました。

ですから、この忘年会の料理攻略法は、先に寿司コーナーに並んで寿司を取り、その後ゆったりと中華をいただくのが正解ですね。

さて、この忘年会ではこの国では飲めないはず、入手出来ないはずの飲み物をたらふくいただくことが出来ます。

特に麦で作った飲み物は人気です。でも、冷えていなんですが・・・それでも飲めるだけ幸せです。あとは、米から作ったものやwe好きとかですね。
いやぁ〜 飲んだ飲んだ

食事の後は再び出し物があり、そして最後に大抽選会が行われました。

この抽選会、かなりの商品が提供されているのですが、中でも皆さんの注目の的は特賞のリヤド−東京往復航空券です。

その他、リヤド−バハレーン、リヤドードバイ、リヤド−デンパサール(バリ島)等航空券がらみの商品だけで13本、ホテルの食事券が20本近く、フェラガモ、ティファニー、等々それはそれは豪華賞品のオンパレードで盛り上がっていました。

結局予定を1時間近くオーバーして、夜8時過ぎにお開きとなりました。

<そりゃないぜ!NHK!>1998/12/9

初めてこの国を訪れたのは昭和63年でした。
そのころはTVは国営放送2チャンネルだけで、全てアラビア語の放送でした。

ところが時代が進むにつれ、ヨーロッパやアメリカの放送が衛星を使って配信されるようになり、ホテルでこれらの番組を見ることが出来る様になってきました。

するとある時期から、なんと!NHKの海外向け放送が見れるようになったのです。

これは昔を知る者にとっては画期的なことでした。リヤドで日本の放送、それも日本語で見れるなんて!時代の進歩に感謝!受信料払っていて良かった!なんて思ったものです。
しかし、放送は放送用電送素材とか言われるもので、こちらの時間を無視し、日本で放送されている時間と同じ時間での視聴が必要でした。すなわち、時差が6時間あるので、NHKの朝7時のニュースは深夜の1時に、夜7時のニュースは午後1時に見なければならず、とても不便だったわけです。
また、放送開始は朝7時のユースから日本時間深夜0時まででしたから、仕事を終えてホテルに帰ってきた時にはすでに放送終了(;_;)と言う具合でした。

それでも、日本のニュース、番組がリヤドでリアルタイムで見れるんですから・・・
おかあさんといっしょだって、料理番組だって、スペイン語講座だって、ひとりでできるもんだって、NHK解説だって、普段日本では見ないお堅い番組だってここぞとばかりに見ていたのでした。
でも今から思えば贅沢でした。

なんと!この10月からNHKは海外向けの放送をデジタルとアナログの2本立てにして、そのうちアナログはニュース番組だけの放送にしてしまったそうな。
ホテルではアナログ放送しか見られないので、つまり・・・ニュース以外の番組が一切見られなくなってしまったのです。
ニュースを放送していない時間は文字放送が繰り返し映し出されるだけ(;_;)

お〜!!!!!おれの”おかあさんといっしょ!”はどこへいったぁ〜、スペイン語講座見せろぉ〜!楽しみを奪うなぁ〜!うぉ〜!!!!!!!!

と言うことで極端に楽しみが減ってしまったのです。

お願いホテル様、デジタル放送受信用パラボラ設置してくださいm(._.)m

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